【オススメ雑誌評】 『coyote(コヨーテ)』
※旧「楽天広場」時代のブログより転載。
私は比較的雑誌が好きで、結構衝動買いしてしまうタイプの人間だと思っている。なので、ちょっと見慣れない雑誌などが創刊されると、ついつい手にしてしまい、その後も何となく買ってしまい、雑誌貧乏になっているというようなことも少なくない。
そういった背景もあり、今は割と雑誌を買うのを自粛していたものだった。いろいろ逡巡している時間が長いと、心なしか、殊「自分好みの内容の雑誌」に関しての直感が働くようになるというか、ある面で目利きになったかにような錯覚に陥ることがある。これは単に雑誌を買うための自分なりの口実なのかもしれないが(笑)。
それが今回ご紹介する『coyote(コヨーテ)』である。創刊は今年の夏だが、つい先日も都内の書店にて、創刊号(特集 森山大道 その路地を右へ)と、第2号(特集 星野道夫 ぼくはこのような本を読んで旅に出かけた)をまとめ買いしてしまった。
この雑誌は、先行する『SWITCH』などの雑誌を刊行する、新井敏記編集長率いる株式会社スイッチ・パブリッシングの刊行物である。『SWITCH』は読者数も多いのかと思うが、私は2000年1月号(特集 岡崎京子)しか所有していないぐらいで、私にとってこの『coyote(コヨーテ)』は、随分と新鮮なイメージのある雑誌に映った。
この雑誌のテーマは一言、「旅」に集約される。『SWITCH』が特定の人物について深く追求したのに比べ、同じ人物評でも「旅」がテーマの重点に置かれている。
『coyote(コヨーテ)』のWebサイトでは、先の新井敏記編集長が書く日記を読むことができる。第1回の日記を次のような言葉で締めくくっている――。
「夢見た旅をもう一度考えてみることから雑誌作りを始めたい。」
そういえば旅を愛してヨーロッパ各地を遊学したアンデルセンは、「旅は精神の若返りの泉だ」と旅に思いを込めている――。
かくいう私はといえば、「旅」には縁遠い。一人旅はもちろんのこと、年に何度かの定期的な旅行なども行っているわけでもない。ただ、その反発からか冒険小説に関しては割と好きな方だったと思う。
――1954年生まれの新井敏記編集長は今年50歳。まだまだ様々な事象に興味が尽きないのか、誌面の内容は濃いものとなっている。
一冊950円の本誌を高いと受け取るかどうかは読者によると思う。全編にわたって多くの写真やイラストをふんだんに配し、背表紙の付いた厚手の表紙に、各号にはタブロイド紙を模したものや、カラーの小冊子などが綴じ込み付録として付いていたりと、「自分の好きなことを書きたい」と言った、編む者のこだわりがたくさん詰まっている。
次の休みの日にぶらり空想の旅へと出るのに、この雑誌はとても手ごろである――。
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