レニ・リーフェンシュタール女史死去
9月8日午後10:50、20世紀に活躍したレニ・リーフェンシュタール女史(独)が永眠した。享年101歳。あの激動の20世紀を、ほぼ丸々生き抜いた計算になる。
レニ・リーフェンシュタールと言えば、映画女優、映画監督、写真家、ダンサー、ダイバー、スキーヤー、クライマーとして、多芸多才振りを見せた一方で、「ナチス協力者」、「ヒトラーの愛人」とまで言われ、裕福な家の出とは言え、その時代にあっては決して恵まれた環境にいたというわけでもなかった。
私が初めて女史を知ることになるのは、高校1年の頃。当時私はジャン・コクトーに興味があって、著書をあさったり、関連する展覧会へ足を運んだりしていたものだった。ちょうどその頃は、何故か渋谷でビル清掃のアルバイトを1年半程やっていたもので、放課後は毎日渋谷で下車していた。アルバイトが始まるまでの暇つぶしに最適な古本屋を見つけその後足しげく通うことになるのだが、その古本屋で何となしに目をひいた、レニ・リーフェンシュタールの『回想』(椛島則子訳/文藝春秋)という自伝を手に取ったのが女史を知ったきっかけだった。
※実は女史は、91年の『回想』出版時に来日されていたとのことで、渋谷の東急文化村では「レニ展」が開催されたようです。今になって、行っておかなかったことが悔やまれる。
当時の私にとっては、『回想(上・下)』がハードカバー上下巻合わせて4600円という金額がどうしても高く感じられ、少しだけ安く売られていたので、その古本屋で買うことにした。そのとき、正直に言えば女史のことは全く知らなかったに等しかったのだが、自叙伝で語られる舞台や時代背景、そしてその多芸多才振りや、幅広い交友関係の中に、ジャン・コクトーのそれらを垣間見たような気がして購入する衝動を抑えられなかったものだった。
先日の新聞にも、訳者である椛島則子さんの追悼文が掲載されていた。私は女史の有名な映画は未だ見たことがないが、奇しくも8月23日からは、渋谷シネセゾンで女史の『アンダー・ワンダー・ウォーター 原色の海』と『アフリカへの想い』が上映されていたと聞き、少なからず興味を抱かざるを得ないのであった。
改めて『回想』に目を通そうかと思う夜である。追悼……。
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