祝!9月1日、『夜想』(ペヨトル工房)復刊!
※旧「楽天広場」時代のブログより転載。
以前、楽天のページに「雑誌」というページを設けたことがあったが、私は元来の雑誌好きである。
その中でも書いていたのだが、学生時代に読んでいた『夜想』という雑誌が復刊となるようである。
この雑誌を発行していた、ペヨトル工房という出版社自体は2000年の春に解散してしまっているが、"倒産"というわけではないらしいのでサイトだけは運営されてたようである。
私もしばらく、「ペヨトル工房」元編集長の今野裕一さんが書かれているメールマガジン「Flash*Memory」を読ませていただいているのだが、前々からウワサされていた復刊のニュースは、29日の配信号の中で確実なものとされていた。
『夜想』と言うと、やはりサブカル(サブカルチャー)のイメージがある。しかし実は意外と文学的な部分にも言及しているところが多く、私は主に卒業論文を書くときなどに購入していた。
記念すべき復刊第一号の特集は、「ゴス」ということで……。
それほど興味はわかなかったが(笑)、「ゴス(ゴシック)」についてのイメージは少し前にも書いたことがあった。かなりの独断と偏見だが……。余談となるかもしれないが、「ゴシック」と聞くとまずはじめに建築様式を想像してしまう。フランスの大文豪ユゴーの描いた「ノートル・ダム大聖堂」(cf.『ノートル=ダム・ド・パリ』)などのような建築。他にも文学で言えば、シェリーの『フランケンシュタイン』や、ストーカーの語源とも言われるブラム・ストーカーの『吸血鬼ドラキュラ』、女吸血鬼を描いたレ・ファニュの『吸血鬼カーミラ』系の作品を集めた図書刊行会の「バベルの図書館」や「ゴシック叢書」シリーズを思い浮かべる。日本で言えばドイツの幻想文学紹介者でもある種村季弘氏の吸血鬼に関する本(cf.『ドラキュラ ドラキュラ―吸血鬼小説集』)などをかつて読んだことがあったが、最近私が購入した本で言えば、澁澤龍彦などとともに19世紀フランスの神秘思想家の大家であったエリファス・レヴィなどを紹介し、同時に名訳者としても知られた日夏耿之介訳の『吸血妖魅考』(モンタギュー・サマーズ著)(筑摩書房)の復刊本がある。私の中では「ゴシック」と聞くと何となくそんなようなイメージが強い。「ゴス」特集である復刊第一号には、幻想文学者の須永朝彦氏や、2000年のクリスマスに新宿伊勢丹美術館で行われた展覧会ではサインをもらい忘れたが、金子國義氏なども寄稿しているようなので、実は少し興味があったりもする(笑)。
本題に戻るが、サブカルというジャンルはどうしても時代の波にのまれやすく、ニッチな市場の中での生き残りは厳しくなるため、細々とやっているところが多いように思う。
ペヨトル工房のサイトでも書かれているが、セゾングループの出版社であったリブロポートやトレヴィル(ペヨトル工房は違う)の解散も、その手の一種だったかと思われる。
渋谷を今の渋谷たらしめた「東急 VS 西武抗争」とまで言わしめる程の勢いを持って成長を続けていたセゾングループの経営が危ぶまれたのはもう数年前のこと。
そのセゾングループ運営の「セゾン美術館」(東京・池袋)が閉館したのは99年2月のことであった。今でこそ「ブルータス不動産」などをはじめとして、デザイナーズ建築が人気のようだが、その中心人物とも言える安藤忠雄氏(『芸術新潮』には93年9月号でも特集されていた)の展覧会なども先んじて行い、建築を芸術の域まで引き上げた先駆者として「セゾン文化」という言葉を生んだりなどした程、先進的かつアカデミックな特集を組むことが多く、私も93年から98年にかけて「ボイマンス美術館展」や「ディアギレフのバレエ・リュス展」、「ル・コルビュジェ展」などの展示に足しげく通ったものだったので、「何でよりによってセゾン美術館が閉館なんだ!?」と哀しく思ったものであった。またそこに、日本の企業メセナの崩壊を見たような気もするし、自分なりの"不景気"を感じとったものであった。
とにかく、このペヨトル工房の『夜想』復活のニュースは、なんとなく豊かだった過去の文化をも復活させてくれるのかもしれない……と、一人物思いにふけるのに十分なニュースであった。
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