まもなくあの「鉄腕アトム」が生まれます。
※旧「楽天広場」時代のブログより転載。
来月、2003年4月7日は、あの「鉄腕アトム」の誕生日だそうだ。
もちろんこれはアニメの中の話で設定された誕生日である。原作では、科学省長官・天馬博士の手によって、交通事故で死んだひとり息子である飛雄そっくりのロボットを創り上げた日が、2003年4月7日という設定となっている。実際に前身の「アトム大使」としてマンガに初登場したのは1951年のことだそうである。
一時期アメリカなどでも人気を博した本アニメは、4月6日のフジテレビ9:30~を皮切りに、「アストロボーイ・鉄腕アトム」として全国でTV放映されることが決まっている。今の時期、それに合わせるかのように様々なサイトで前宣伝が盛んである。
cf.
■飛べ! 鉄腕アトム(asahi.com)
■手塚治虫 @ World
■astroboy.jp(公式サイト)
「鉄腕アトム」はもとより、私は元来アニメや漫画に疎い方なので、手塚治虫についてはほとんど知らないと言った方が正しいだろう。姉が持っていた『ブラックジャック』や『火の鳥』を少し読んだくらいである。ただ手塚治虫が、私の好きな作家の澁澤龍彦と同じ生まれ年(昭和3年)ということだけ知っていた。
「こころ正し ラララ 科学の子」という谷川俊太郎氏の作詞による主題歌でおなじみの鉄腕アトム。
「科学の子」――、もちろん鉄腕アトムは人間が作り出したロボットである。日本科学未来館運営の「ロボット・ミーム・データベース」によれば、確かにドラえもんなどのロボットより人気があるわけではない。では何故、鉄腕アトムはここまで日本人にウケがいいのか?
もともと今俗に言われている「ロボット」という名称自体が生まれたのは、1920年に発表されたカレル・チャペックの戯曲、『ロッサム万能ロボット製造会社RUR』の中であった。今では『ロボット』というタイトルで岩波書店から刊行されている。
一時ソニーやホンダから出た人型・動物型ロボットが人気を博した際、書店などでもこの類の本を多く見かけるようになった。最近でも『鉄腕アトムは電気羊の夢を見るか?』なんて、人気SF作品のタイトルにかけたタイトルの本も刊行されているようである。
チェコ語で"労働"や"苦役"を意味する「ROBOTA」がロボットの語源とされている。もともと産業の手助けのためのロボットであったが、カレル・チャペックをはじめ、多くのSF作家が描いたロボットは、人間の愚かさを風刺に託したメタモルフォシスとしての意味合いをもって登場することが多かった。また「ロボット」という呼称も、その特徴に応じて「人造人間」「サイボーグ」「アンドロイド」「ヒューマノイド」などと次々に命名され、いつの時代も不思議な魅力にとりつかれることはしばしばあったかと思われる。
つまり、「人の心が分かるロボット」というものは、かなり昔から技術者や文学者にとっての憧れの存在だったのである。アトムにも有名な「7つの力」の中に人の善悪を見極める力がある。『空想科学読本』の中では、現在の科学技術において「鉄腕アトム」の製造は不可能と解くが、遠い未来、いつかこのアトム級の「ロボット」が開発されたとき、ロボットを使いこなす社会になっているのか、ロボットと共存共栄する社会になっているのか、はたまたロボットに支配される社会になっているのか――、手塚治虫などの"予言者"を見本とすれば、そういうことは全て今の科学技術の使われ方(人間の意志)にかかってきているようにも思い、また今がその分岐に差し掛かってきている頃なのではないかと思うのであった。
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