『STEALING HOME ~君がいた夏~』/デヴィッド・フォスター
デヴィッド・フォスターが音楽を担当した、そんな名前の映画があった。内容は見てないのであらすじしか知らないが、その映画のサントラは持っていたりする。今まさに、BGMではそれが流れている――。
似たようなシチュエーションの映画、『ある愛の詩』は背景が寒々しい感じだった気がするが、「思い出」というもの自体、実は夏の風物詩なのではないか?
きっと、熱帯夜にありがちな独特な空気の緩みが、全体的にぼやけた感じを醸し出すのか。また、ちょっと遠出した先で何年かぶりに見る陽炎や、鼻をつく草いきれの中に思い出を蒸留する特別な成分が含まれているのかもしれない。
マリブのボトルに学生時代の日々を映しながら、冷たく割ったコーラで喉を潤す夏のはじまり――。ビールがやけに苦く感じた花火大会の日の思い出、出店のほのかな灯りに照らされた浴衣のぼやけ方が、モネの水彩画のように辺りに広がり、公園の芝生がにわかにジヴェルニーの草原へと化すのであった。
伸びやかなサックスの音色が、どこまでも上空へと飛んでゆき、暴走したタイムマシンのように、過去の幾つかの重大な瞬間へと私をいざなうのだった……。
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