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2002年07月28日

晴天の中、「ミロ展 ~世田谷美術館~」へ

 今日は世田谷美術館で昨日より開催されている「ミロ展」へ足を運んだ。最寄駅からは少し距離があるので車で行った。ここは都内にありながらホッとするような緑萌える砧公園に隣接しており、広い駐車場もあるので、家族連れの方でも便利な立地条件にあると言えるかもしれない。

 「ミロ展」へ行くのは生まれて初めてのことだったので、結構楽しみにしていた。抽象画ということで割と身構えていたが、実際の展示は初期の具象画作品が中心に構成されており、小学生たちも夏休みということで自由研究の課題なのか、大勢でノートを持参して見に来ていたりして結構気楽に見ることが出来た。

 やはり抽象画は難しかった。と言うより正確に言えば、難しいというよりは、育った年代も環境も考え方も、そして器も何もかもが違う人物と感性を同じくしようとすること自体がそもそも不毛なことなのかもしれない。ただ、ミロが頭角を現し始めた1920、30年代という時代は、まさに興味深い歴史的瞬間であり、折りしも日本では大正ロマンの華やぐ時代で、世界でも経済ではウォール街で起こった「暗黒の木曜日」やクライスラービル建設に象徴されるアメリカ・ニューヨークが、芸術では世界中で大規模なコンクールが催されたが、なかでも文化政策の一環として開かれた産業と芸術の夢の祭典であった万国博覧会が6度も開かれた、まさにその中心地であったフランス・パリを中心に、いわゆるモダニスムが台頭してくる時代であった。

 また同時に国際連盟が発足されドイツが加入したと思えば、やがてヒトラーが政権を掌握して脱退し、スペイン戦争勃発、そして第二次世界大戦へ以降してゆく激動の時代でもあった。

 娯楽では、1927年のリンドバーグ、大西洋横断単独飛行成功を受け、「より早く、美しく、力強く」を3拍子に、ドイツの飛行船ツェッペリン号・ヒンデンブルク号がすぐ後の世代交代まで優雅に大空に浮かび、流線型ボディの乗り物が流行し、量子力学創始による科学革命の時代でもあったこの時期、テレビやラジオ、映画(トーキー)やジュークボックスの普及により街やホールではジャズが流れ、チャップリンが「黄金狂時代」を表現し、ミッキー・マウスが初めてお茶の間?に登場し、フレッド・アステアや踊り子ジョゼフィン・ベーカーやグレタ・ガルボなどが人気を博した。

 デザインでも1919年のバウハウス設立から始まった近代合理主義がカンディンスキーを世に送り出し、ル・コルビュジェを花開かせ、万国博覧会で栄誉ある賞を受賞した伝統あるバカラ社の洋食器が流行り、シルクの街リヨンで作られた良質のシルク製品が、それまでのアール・ヌーヴォー全盛期のミュシャのタペストリー作品などと融合され、新たなテキスタイル・デザインが生まれ、シャネルやスキャパレリ、バレンシアガなどのファッション・デザイナーに大きな可能性を与えた。

 文芸でも、ジョイスの「ユリシーズ」刊行などから、キーワードは「既成概念をぶち壊せ」という反理性のムーブメントが興り、アバンギャルド芸術が一躍世を席巻し、トリスタン・ツァラによるダダ宣言、アンドレ・ブルトンによるシュルレアリスム宣言を経て、世界中の文豪や芸術家がパリに集結してカフェ・サロン文化を盛り立て、ロシアからはディアギレフやニジンスキーが来仏し、デ・キリコやピカソやコクトー、シャネルなどとの邂逅を果たしたラディカルな時代でもあった。

 とにかく、そんな何もかもがごちゃまぜになりながら、実は現代の文化のうちのほとんどの基礎が、この短い時期に形成されたようでもある。
 その激動の1920、30年代に世に出てきた画家ミロが、数十年の歳月を経て今の私たちに訴えるものは何なのだろうか?そんな一抹の疑問を、私の夏休みの課題?に残したのであった。

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2002年07月22日

『STEALING HOME ~君がいた夏~』/デヴィッド・フォスター

 デヴィッド・フォスターが音楽を担当した、そんな名前の映画があった。内容は見てないのであらすじしか知らないが、その映画のサントラは持っていたりする。今まさに、BGMではそれが流れている――。

 似たようなシチュエーションの映画、『ある愛の詩』は背景が寒々しい感じだった気がするが、「思い出」というもの自体、実は夏の風物詩なのではないか?

 きっと、熱帯夜にありがちな独特な空気の緩みが、全体的にぼやけた感じを醸し出すのか。また、ちょっと遠出した先で何年かぶりに見る陽炎や、鼻をつく草いきれの中に思い出を蒸留する特別な成分が含まれているのかもしれない。

 マリブのボトルに学生時代の日々を映しながら、冷たく割ったコーラで喉を潤す夏のはじまり――。ビールがやけに苦く感じた花火大会の日の思い出、出店のほのかな灯りに照らされた浴衣のぼやけ方が、モネの水彩画のように辺りに広がり、公園の芝生がにわかにジヴェルニーの草原へと化すのであった。

 伸びやかなサックスの音色が、どこまでも上空へと飛んでゆき、暴走したタイムマシンのように、過去の幾つかの重大な瞬間へと私をいざなうのだった……。

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投稿者 cyberpoet : 01:22 | コメント (0) | トラックバック (0)

2002年07月06日

渋谷文化村で「マグリット展」が始まった。

かつて学生時代に卒業論文で少し触れたことがある程度の予備知識しかなかったが、それなりに楽しめた。午後一から仕事があったので、朝早めに行って見てきた。

ところで、今年に入ってからいわゆる「シュルレアリスム」系のアーティストの特集が増えたような気がする。私は雑誌が好きなのだが、最近の雑誌の特集を傍観していると、建築やファッションやデザインなどが、専門分野にいる人たち以外にも割と深く浸透し、新しい尺度から評価を受け始めているような気がする。

せっかくインターネットの時代なんだから、何か今風の新しい運動が起こったらおもしろいのになぁと考える今日この頃であった。

カテゴリー:[ 美術展 ]

投稿者 cyberpoet : 01:13 | コメント (0) | トラックバック (0)